トスカーナの空気と美しい文章~「とっておきのフィレンツェ/トスカーナ」

有元葉子さんが新刊の「有元葉子の「和」のお弁当」を出されましたので、有元さんが絶賛されている旅本を一冊ご紹介しましょう。

「イタリアで彼女のセンスの虜になってしまった私。この本を待っていました。古澤さんの感覚で選りすぐった全てのものにうっとりしてしまいます」

と本の帯に有元さんが言葉を寄せられています。

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本のタイトルは「とっておきのフィレンツェ/トスカーナ: おいしいものと素敵なところ」。

フィレンツェとトスカーナ地方をめぐるガイドブックです。ガイドブック・・てちょっと違和感があるな、なんせ有元葉子さんもおっしゃっていましたが、選ばれている場所とそれに添えられている言葉が、素晴らしいんです。

 

文章を書くということは誰にでもできます。

 

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ですが限られた言葉の組み合わせで、人を惹きつけ、トスカーナの乾いた空気を伝え、チョコレートショップの甘い香りを伝え文字だけで、その場にいて、チョ コレートを選んだり、パニーニを注文したりしているかのような気持ちになる、そんな爆発的な表現者がたまにいます。

 

この「古澤千恵」さんはそういう才能を 持っておられると思います。

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たとえばそのタイトル。

「持ち帰ってしまうジェラート屋さんのエコスプーン」

「ドゥオモが見える図書館」

なんという広がりを見せるタイトルでしょう!

まるでそこから物語が始まりそうなそんな素晴らしいタイトルです。こんな風に広がりを見せる言葉がわたしは大好きなのです。

 

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あと何故か強く惹かれたこの写真・・・ジェラート屋さんに並ぶ女性を写した写真です。

もうね、この写真を見てしばらく考えこみましたよ!!「H&Mで何を買ったのかしら、きっとニット、肌触りの良い、日曜日に買い物に出て、寄り道したんだな」などと彼女の物語をどんどんと作りあげていきます。

そういう写真や文章ばかりなのです、この「とっておきのフィレンツェ/トスカーナ: おいしいものと素敵なところ」は!

 

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トスカーナもフィレンツェも以前行ったことがあります。

とくにトスカーナは車で回りましたので、乾いた空気やお店に入った時の少しヒヤリとした独特の匂いなど、この本を読みながら思い出しました。

多くの物語のスタート地点のようなそんな本です。実用的なガイドブックとは言えませんが・・・

上質な映画を見ているようなそんな雄弁に語りかけてくる本です、うっとりしちゃいますよ~

 

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